日本政府観光局(JNTO)が発表した2025年3月の訪日外客数は、前年同月比13.5%増の349万7,600人で、3月として過去最高を記録した。1〜3月の累計は1,053万7,300人となり、四半期として過去最多であり、1,000万人を最も早く突破した年となった。円安の継続や桜シーズンの到来が主な要因とされる。
東南アジアからの訪日者数も堅調に推移している。シンガポールからの訪日者は6万5,300人で、前年同月比7.0%増となった。1〜3月の累計では15万3,300人で、前年同期比16.0%増である。直行便の増加に加え、広告などの各種プロモーション、スクールホリデーの影響が考えられる。
タイからの訪日者数は14万8,200人(前年同月比12.5%増)であった。日本人気の継続や、バンコク〜成田間の増便、バンコク〜高松間のチャーター便運航などにより、航空座席数が増加したことが要因とみられる。
マレーシアからの訪日者は5万3,100人(同26.6%増)であった。マレーシアリンギット高や景気回復が後押しとなったと考えられる。インドネシアからは6万600人(同61.8%増)が訪日し、ジャカルタ〜羽田間の直行便増加が主因とされる。
シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシアの4カ国は、いずれも3月として過去最高の訪日者数を記録した。一方で、フィリピンは7万2,300人(同8.3%減)、ベトナムは6万4,100人(同5.0%減)と前年同月を下回った。
これらの結果は、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシアなど一部の東南アジア市場では訪日需要が引き続き高い水準にあることを示している。一方で、フィリピンやベトナムでは前年を下回る結果となっており、JNTOは市場ごとの動向を注視しながら、今後も各国の特性に応じたプロモーションを展開し、持続可能な観光や地方誘客の促進に努めていく方針である。
※ソース
https://www.jnto.go.jp/news/_files/20250416_1615.pdf