シンガポールの総選挙が5月3日に実施される。世界経済の不安定化が進む中、与党・人民行動党(PAP)は全97議席(GRC=集団選挙区18、SMC=単独選挙区15)で戦い、ローレンス・ウォン首相の初の国政選挙となる。野党各党も攻勢を強め、激戦が予想される。
選挙は、4月15日に第14国会が解散され、選挙布告が発出されたことで始まった。立候補届出日は4月23日、5月2日は「冷静期間」となり、翌3日に投開票が行われる。
与党PAPは全33選挙区に候補者を擁立し、30人以上の新人を投入する方針だ。これに対し、労働者党(WP)はHougang、Aljunied、Sengkangなど東部の強固な地盤に加え、新設のPunggol GRCなど5選挙区に挑戦するとみられる。
進歩シンガポール党(PSP)も西部で5選挙区に出馬予定で、特に接戦が予想されるWest Coast-Jurong West GRC に主力候補を投入する構えだ。小規模野党の動きも活発で、多数の選挙区で三つ巴以上の構図となる可能性がある。
争点は、物価高、雇用不安、住宅価格の高騰など生活に直結する課題だ。インフレ率は2024年に2.4%まで落ち着いたが、米中の対立による再上昇の懸念が残る。政府はスキルズフューチャー制度の拡充や住宅供給の強化で対応を図っている。
一方、汚職や不倫などの政治スキャンダルも有権者の判断に影響を与える可能性がある。ウォン首相は「国民が次のリーダーを選ぶ重要な選挙だ」として、有権者に支持を訴えている。
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