ロンドンのウエスト・エンドで、シンガポール風の飲食店Singapulahが注目を集めている。観光客や劇場ファンがショーの前に訪れるこの飲食店では、バクチョーミー(Bak Chor Mee)やワンタンミー(Wantan Mee)、チャークイティオ(Char Kway Teow)など、シンガポールの人気料理が提供されている。
ミロ(MILO)の缶や古いオレンジ色の電話機などシンガポールらしい装飾品で飾られているSingapulahでは、6か月ごとにシンガポールで人気のメニューが新たに紹介されている。
シンガポール企業がロンドンで成功する背景には、現地消費者の食の好みが変化し、本物志向が高まっていることが挙げられる。Enterprise Singaporeのアラン・ヨー氏は、シンガポールの飲食店や食品メーカーにとって今が絶好のチャンスであると述べ、ロンドンの若い世代の間で新しい味への興味・関心が高まっていると指摘。
シンガポールとマレーシアの料理を提供するRasa Sayangを運営するジェイ・シム氏は、かつては魚の頭がついたままの料理やチキンライスのピンク色の肉が敬遠されていたが、今では本物の証として受け入れられており、ロンドンの食文化が急速に変わりつつあることを強調している。
また、シンガポールのカレーパフを提供するOld Chang Keeも英国で人気を博している。2018年にコヴェントガーデンに1号店をオープンし、現在では2号店が開業しており、2024年末までに3号店を予定。カレーパフは英国の食文化にマッチした商品であり、シンガポールの味が徐々に浸透している。
しかし、英国市場で成功するには、物流や人材の確保といった課題もある。特にブレグジット後の移民法の変化や、世界的な物流の混乱がコストの上昇に影響を与えている。
それでも、シンガポール企業はロンドン市場での成功に向けて前進を続けている。現地での適応と、シンガポールの本物の味を提供することで、今後も成長が期待される。
※ソース
関連記事
【シンガポール】ニューヨークで初のホーカーセンター、9月28日オープン