【シンガポール】TCS、AI拠点を開設し地元企業60社を支援

シンガポール
(From left) TCS Pace global head Leena Walavalkar, High Commissioner of India Shilpak Ambule, TCS president for growth markets Girish Ramachandran, Minister of State for Trade and Industry Alvin Tan, TCS chief technology officer Harrick Vin, TCS Singapore country head Punit Agarwal, and TCS head of business sustainability for Apac Michele Lemmens at the launch of the new facility on July 3. PHOTO: TATA CONSULTANCY SERVICES

インド最大のITサービス企業、タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)は、シンガポールに新たなイノベーションセンターを開設し、今後1年間で最大60社の地元企業に対し、AI技術による支援を行う計画である。

この新施設は、TCSアジア太平洋本部が入居するチャンギ・ビジネスパーク内に設けられ、TCSの専門家と共に、最大50社の中小企業および10社のスタートアップが、実際のビジネス課題に対応するAIソリューションの共同開発、プロトタイプ制作、そしてスケールアップに取り組むことができる。

TCSは、同センターの運営を支える人材として、シンガポール国内の大学から最大50名の新卒者を採用する予定である。配属先は、データサイエンスやサイバーセキュリティといった分野になる見込みだ。現在、TCSはシンガポール国内で6,600人を雇用している。

なお、TCSは施設の建設費や規模については明らかにしていないが、2026年前半に拡張を予定しているという。

TCSシンガポール代表のプニット・アガルワル氏は7月3日、ストレーツ・タイムズ紙の取材に対し、「中小企業は大企業に比べてテクノロジーに精通しているとは限らず、高度なコンサルティングにアクセスすることも難しい。今回の新センターはそのギャップを埋める役割を果たす」と述べた。さらに、「TCSのコンサルタントが、企業のデータ理解、AIの活用方法、既存の技術環境の評価と近代化の必要性の判断を支援する」と語った。

このイノベーションセンターはまた、フィンテック企業やスタートアップが自社製品を紹介し、TCSの「Co-Innovation Network(共同イノベーション・ネットワーク)」に参加するためのプラットフォームとしても活用される。これは、革新的なテクノロジー企業とTCSの世界中の企業顧客とを結びつける取り組みである。

「グーグルやNvidiaといったテクノロジーパートナーによる最先端技術と、TCSの業界における深い知見を組み合わせることで、シンガポール企業に具体的かつ効果的な成果をもたらす」とアガルワル氏は述べた。

同日行われた開所式には、貿易産業・国家開発担当政務大臣のタン・アルビン氏が出席し、シンガポール政府が今後もデジタルおよびAI分野での取り組みを強化していく方針を示した。

タン氏は、今回の新センターが、2025年度予算で発表された1億5,000万ドル規模の「Enterprise Compute Initiative(ECI)」と同様の役割を果たすことに触れた。ECIは、シンガポールの企業がクラウドリソース、AIツール、コンサルティングサービスにアクセスできるよう支援する国家プロジェクトである。

「本センターは、地元企業やグローバル企業との連携を通じて、シンガポールのデジタルトランスフォーメーションを推進する拠点となる。スタートアップ、学術機関、政府機関など、様々な分野を結びつけることで、分野横断的なイノベーションと協業を実現する」と述べた。

TCSは本社をムンバイに置き、1985年にシンガポールでの事業を開始した。現在、ITサービス、コンサルティング、ビジネスソリューションを専門とし、世界55カ国で事業を展開している。

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