先週崩落したタイ国家会計検査院(SAO)ビルの鉄筋を製造したXin Ke Yuan Steel Ltdが、中国ラオス鉄道プロジェクトにも鉄鋼製品を供給していたことが明らかになった。同社は中国資本が大半を占める企業で、2024年12月に安全基準違反によりラヨーン県の工場が閉鎖されていた。工場閉鎖後も製品が流通していた可能性があり、今後の調査が注目される。
崩落したSAOビルはバンコク・チャトゥチャック区で建設中だったが、3月28日、ミャンマー・マンダレー付近で発生したマグニチュード7.7の地震の影響を受け倒壊した。タイ工業省は4月2日、崩落現場から採取した2つの鉄鋼サンプルが基準を満たしていなかったと発表し、これらがXin Ke Yuan Steel製であったことを明らかにした。
同社のラヨーン県にある工場は、工業相アカナット・プロムパン氏が2024年12月19日に視察した際、安全基準および環境規制の違反が確認され、閉鎖命令が下されていた。しかし、4月2日に、工場は閉鎖されたままだったものの、事務所棟は稼働しており、閉鎖後も工場には約2,000トンの鉄鋼製品が保管されているとの報告がある。
さらに、Googleマップのレビュー調査では、約2カ月前に同工場から鉄鋼製品を購入し、ラオスへ輸送したという顧客の投稿が確認された。これらの製品は、中国ラオス鉄道プロジェクトで使用された可能性がある。
Xin Ke Yuan Steelは2011年2月23日に設立され、資本金は15億3,000万バーツ(約60億円)である。取締役にはJianqi Chen、Su Longchen、Somphan Pankaewが名を連ね、筆頭株主のJianqi Chen氏が64.91%の株式を保有している。
同社の2023年の財務報告によると、総資産は86億3,000万バーツ、負債は26億9,000万バーツ、総収益は163億2,000万バーツ、総費用は153億7,000万バーツであった。さらに、利息支払い額は5,414万バーツ、法人税は1億3,192万バーツ、純利益は7億7,232万バーツに上る。
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