シンガポールの映画館チェーン「キャセイ・シネプレックス」が9月1日、全館の営業を停止した。同日午前に親会社mm2アジアが発表した自主清算の決定を受けた措置である。
mm2アジアはシンガポール取引所への報告で、複数の映画館の大家への債務が膨らみ、継続的な運営が不可能になったと説明。債権者による自主的な清算手続きに入ると明らかにした。
同社によれば、債権者との間で支払い条件の再交渉を試みたが、合意に至らなかったという。キャセイ・シネプレックスは同日、インスタグラムで「即時に事業を停止した」と公表した。
公式サイトでは午前11時48分時点で上映作品が表示されていなかったが、カズウェイ・ポイント、ダウンタウン・イースト、センチュリー・スクエア、クレメンティの4館がまだ掲載されていた。
発表を受け、mm2アジアの株価は前場で25%下落し、0.3シンガポールセントとなった。今後は株主による臨時総会と債権者会議が開催される予定である。
債権者として挙げられたのは、Lendlease Global Commercial Reitの受託者DBSトラスティ、センチュリー・スクエアの管理組合とCentury Square LLP、Frasers Centrepoint Trustの受託者HSBC Institutional Trust Services(Singapore)、さらにLendlease Retail Investments 3(任意清算中)、Alprop、Resorts Conceptなどである。
同チェーンは近年、未払い賃料を巡り大家から度重なる支払い請求を受けてきた。2月にはセンチュリー・スクエアとカズウェイ・ポイントの大家から約270万シンガポールドル、7月にはJemの大家から約340万ドルの支払いを求められた。さらに、今年2月に閉鎖したウエスト・モールについても、Alpropが約100万ドルを請求していた。
mm2アジアは7月、コロナ禍以降の業界低迷を背景に事業閉鎖を検討していることを明らかにしていた。過去3年間で6館を閉鎖しており、最後に残った4館も9月1日で営業を終えた。
2023年3月期決算では1億520万シンガポールドルの最終赤字を計上。前年の570万ドルから大幅に赤字が拡大し、経営環境の厳しさが浮き彫りとなっていた。
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