ブルームバーグNEF(BNEF)のレポートによると、2040年までにシンガポールの全乗用車の80%が電気自動車(EV)になる見込みで、東南アジア地域平均の24%を大きく上回ると予測されている。2位はタイ(41%)で、次いでベトナム(31%)、インドネシア(25%)、マレーシア(15%)、フィリピン(10%)が続く。
2023年にシンガポールで販売された車の19%がEVで、すでに東南アジアの中で最も高い導入率を記録。さらに、2024年の最初の7ヶ月間で新車登録の32.1%がEVとなり、急速に普及が進んでいる。また、シンガポールは公共のEV充電ステーションの設置でも地域トップで、2023年にはEV3台に1つの充電ステーションが設置された。
BNEFのレポートでは、バッテリーの価格が下がることがEV普及の鍵になると言われている。バッテリーはEVの中で最も高価な部品で、価格が下がれば車のコストも下がり、ガソリン車と競争できるようになると指摘。実際、2010年から2023年の間にバッテリーの価格は90%も下がっている。
EVの普及が遅れている理由の一つとして、ガソリン車と比べて電気自動車の価格や性能がまだ十分ではない点が挙げられている。しかし、バッテリー価格のさらなる低下により、EVがますます魅力的な選択肢になると予想されている。
2023年には東南アジア全体で153,500台以上のEVが販売され、その中でも中国の自動車メーカーが大きな役割を果たした。タイでは、2023年に86,383台ものEVが販売され、地域最大の市場となっている。
シンガポール社会科学大学のウォルター・セイラ准教授は、シンガポールが2040年までに東南アジアで最も多くのEVを使用する国になるという予測について「驚くことではない」と述べている。
シンガポールでは、車を10年ごとに更新する制度がEV普及を後押ししており、ディーゼル車の新規登録が2025年から禁止されることも、EV導入をさらに加速させると予想されている。

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