経済成長にともない、F1(フォーミュラ1)ファン層が拡大するとみられるアジア市場で、ウィリアムズ・レーシングチームは今後12~18カ月以内にアジア地域にオフィスを設立し、ビジネスネットワークの拡大を図り、より多くのスポンサーを募集する計画である。
F1チームの運営にはスポンサーからの資金が不可欠であり、スポンサーはその見返りとして、F1カーやドライバースーツ、ヘルメットなどに自社のロゴを掲載し、世界中の観客に対して自社ブランドの露出を高めることができる。
例えば、マレーシアの石油・ガス企業ペトロナスはメルセデスのスポンサーであり、レッドブルは自社のF1チームを持っている。両社のロゴは、それぞれの車両に大きく表示されている。
ウィリアムズ・レーシングの商業顧問ピーター・ケニヨン氏は、ストレーツ・タイムズのインタビューで、「F1には現在24のレースがあり、そのうち3つがアジアで開催されている(日本、中国、シンガポール)。今後、アジアでのレースがさらに増加する見通しがある。アジアの経済成長を考慮すると、今後10年で観客数の増加が期待される地域はアジアである」と述べている。
ウィリアムズ・レーシングは9月20日にシンガポールで企業向けのネットワーキングイベントを開催し、スポンサー候補企業との関係構築を進めている。
ウィリアムズ・レーシングのチーム代表ジェームズ・ヴァウルズ氏は、F1のスポンサー223社のうち、アジア企業はわずか13社にとどまっていると指摘している。「現時点では、アジアの存在感はほとんどない」とヴァウルズ氏は述べているが、アジア各国の関心は高まっており、タイ、韓国、インドネシアがグランプリ開催を希望している。
ヴァウルズ氏は、今後5年以内にアジアでのグランプリ開催が増え、それに伴い観客数も増加すると見込んでいる。「アジアは世界で最も成長が見込まれる地域であり、その成長に対して投資を進めたい」と述べている。
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