年末商戦を前に、シンガポールではオンラインショッピングや国際郵便の取扱量が増加している。12月の繁忙期に備え、物流事業者やEC(電子商取引)プラットフォーム各社は、人工知能(AI)や自動化技術を活用し、配送能力と運営効率の強化を進めている。
DHLエクスプレス・シンガポールは、AI搭載のロボットアームを仕分け施設に導入し、1時間あたり1,000個以上の小包を99%の精度で処理している。配達員用端末にもルート最適化機能を組み込み、効率的な配送を実現している。同社は年末商戦により、取扱量が前四半期比で約20%増加すると見込む。
フェデックス・シンガポールも、チャンギ空港の地域ハブでAIによる自動仕分けを行い、ラストマイルでは配達順やルートを最適化するデジタルツールを活用している。自律走行ロボットによる非対面配送も一部で導入し、繁忙期に向けて臨時人員の配置やシフト調整を進めている。
消費者動向も物流需要を押し上げている。フェデックスの調査によると、シンガポールの消費者の約3分の1が10月から年末商戦の買い物を開始し、45%が前年よりオンライン購入を増やす見通しだ。こうした傾向により、アジア太平洋地域では長期化する年末商戦が物流網に大きな負荷を与えている。
物流企業ニンジャバンは、2025年の取扱量が前年を上回り、特にコールドチェーンや越境配送で大幅な伸びを示している。11月のコールドチェーン取扱量は前年同月比で5倍となり、シンガポール―マレーシア、同フィリピン間の配送も60%以上増加した。対応策として、AIによる複数ドライバーのルート最適化や設備保守の強化を進めている。
ECプラットフォーム各社も技術活用を加速させている。ザロラはAIによる需要予測と自社倉庫管理システムを活用し、季節要員の配置や出荷調整を柔軟に行っている。ショッピーは統合型物流ネットワークや倉庫代行サービスを通じ、11.11や12.12といった大型セール期間でも安定した配送体制を確保している。
物流・EC各社は、AIと自動化を軸にした運営体制を強化することで、年末の急増する需要に対応し、安定した顧客サービスの維持を図っている。
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