シンガポール高等専門学校(SP)の学生起業家が、環境配慮型のペットファッション事業で注目を集めている。中心となるのは、いずれも20歳のシヤヒラ・イドラ・シャリン氏とアマンダ・チュア氏だ。
2人は当初、再生素材を用いたプリントTシャツ事業を構想していたが、独自性に欠けると判断し、持続可能なペットファッションへと方向転換した。SPビジネススクールの起業支援プログラム「Business Essentials Through Action(BETA)」から1,000シンガポールドルの資金提供を受け、アップサイクル型ペットアクセサリーブランド「Pets-R-Us」を立ち上げた。
その後、17~20歳の学生8人を加え、2025年11月に事業を正式始動した。チームは会計、金融、人材管理など多様な専門分野を背景に持ち、それぞれの知見を生かして運営している。
メンバー全員が動物好きで、ペットを飼っている点も事業の強みだ。ペットを家族の一員と捉える飼い主の視点を重視し、快適さと安全性、デザイン性を兼ね備えた商品開発を行っている。自らのペットをモデルに試着テストを行い、品質を確認している点も特徴である。
Pets-R-Usの理念は、ペットへの愛情と環境意識の両立にある。自宅で不要となった衣類や寄付された布地を再利用し、繊維廃棄物の削減を図りながら、スタイ、首輪、マナーベルトなどを製作している。価格帯は9.90~11.90シンガポールドルで、Carousellやインスタグラム(@petsrus0.0)を通じて販売している。
なかでもスタイは、さまざまなペットに使える汎用性の高さから最も人気が高い。素材には柔らかく肌に優しい綿を使用し、再利用布地はすべて洗浄するなど、安全性にも配慮している。布地に応じて型紙を変えるため、すべて一点物となる。
縫製は学生自身が担当し、学校のワークショップやオンライン教材を通じて技術を習得した。制作時間は商品によって異なり、スタイは約15分、マナーベルトなどは30分以上を要する。要望に応じたカスタム製作にも対応している。
事業運営では、学業との両立が課題となるが、役割分担と相互支援により対応している。最近は学内でポップアップブースを出店し、集客や販売手法の改善に取り組んでいる。
資金面では、初期資金以外に自己資金を投入せず、再利用・寄付素材を活用することで運営コストを抑えている。現在、売上はすべて、誠実さや倫理観の醸成を目的とする非営利団体「Honour Singapore」に寄付している。
収益は得ていないものの、学生たちは実践的な経験こそが最大の成果だと位置づける。起業を通じて得た顧客対応や商品開発の経験は、将来に向けた重要な学びとなっている。
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