野村ホールディングスは、2024年に世界ウェルスマネジメント事業が黒字化したことを受け、シンガポールとドバイでのチーム拡充を進めている。ドバイでは、従来のオフィスの2倍の広さを持つ新拠点へ移転し、最大60人のスタッフを収容できる体制を整える。また、シンガポールでも新たな人材採用を進めており、同事業の従業員数を現在の約100人から50%増加させる計画だ。
同社は、投資銀行業務やグローバル市場業務への依存を低減し、プライベートバンキング事業の拡大に注力している。現在の5カ年計画の下で、世界ウェルスマネジメント部門の運用資産を600億米ドル(約80億シンガポールドル)に倍増させることを目指している。
野村は、日本市場との強い結びつきを活かし、富裕層の投資ニーズに応えている。特にインドネシアやタイなど、日本企業との合弁事業を持つ起業家層が同社を利用する傾向が強い。
また、2023年には元シティグループ銀行員のルドルフ・ヒッチ氏を北アジア事業責任者として採用し、2024年にはUBSグループからの人材登用を進めるなど、経営体制の強化を図っている。
市場環境の変化も追い風となっている。2025年には中国本土や香港の投資環境が改善し、香港市場でのIPO(新規株式公開)の増加や株式市場の回復が見られる。香港のプライベートウェルス市場は2023年に約9兆香港ドル(約1.54兆シンガポールドル)に拡大し、2020年以来初の年間成長を記録した。
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