ベトナムの人口は2059年ごろにピークを迎え、その後は緩やかな減少または横ばい局面に入る見通しである。12月23日に公表された長期人口予測により明らかになった。急速な高齢化の進行に加え、出生時の男女比の偏りや人口移動の変化への対応が今後の重要課題となる。
この予測は、ベトナム統計総局が国連人口基金(UNFPA)と共同で開催したワークショップで発表されたもので、最新の国勢調査や、53の少数民族を含む大規模な社会経済調査の結果を基にしている。
中位出生率シナリオでは、ベトナムの人口は今後数十年にわたり増加を続け、今世紀半ばにピークを迎えた後、成長率が鈍化し安定段階に移行すると予測されている。2024年から2074年にかけて、人口は最大で約1億1400万人に達する見込みだが、その規模は出生率の動向によって大きく左右される。
労働年齢人口が扶養人口を大きく上回る「人口ボーナス期」は2036年までに終了する見通しであり、その後は高齢化社会、さらには超高齢社会へと移行する。若年層および中年層の縮小と高齢者人口の急増により、労働力供給、医療体制、社会保障制度への負担が一段と高まるとみられる。
出生時の男女比の不均衡も、21世紀半ばまで続くと予測されており、人口構成の歪みが長期的に残る可能性がある。都市化は引き続き進むものの、都市人口比率が約50%に近づくにつれ、その進行ペースは鈍化するとみられる。
国内移動は引き続き人口分布を左右する重要な要因であるが、近年は減少傾向にある。国内移動者数は2014~2019年の約640万人から、2019~2024年には約380万人へと大きく減少した。移動の7割以上は都市間移動であり、都市から地方への回帰は限定的である。
短距離移動が増加している背景には、居住の安定志向の高まりや移動コストの低下があると分析されている。一方、少数民族の移動は全体としては微減にとどまり、全移動者に占める割合は上昇している。これは農村部や周辺都市での雇用創出や地域開発政策の成果を反映したものとされる。
同時に発表された別の報告書では、人口1万人未満の小規模民族における非識字率が、大規模民族の2倍以上に達していることが示された。早婚、低い教育水準、不十分な衛生環境が重なり合い、多面的な貧困を生み出しているという。
特に女子の中等教育の拡充が、世代間貧困の解消や児童婚の抑制に不可欠であるとして、民族ごとの実情に応じた柔軟で重点的な政策対応の必要性が強調された。
一連の分析結果は、ベトナムが残された人口ボーナスを活用できる期間が限られていることを示すと同時に、高齢化、人口移動、男女比の不均衡に備えた長期的な国家戦略の重要性を浮き彫りにしている。
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