シンガポールドルは、安全資産志向の高まりを背景に、米ドルに対して2014年10月以来となる高水準まで上昇した。市場では、今週予定されているシンガポール金融管理局(MAS)の金融政策決定会合で、現行の政策スタンスが維持されるとの見方が通貨高を支えている。
シンガポールドルは一時、1米ドル=1.2678シンガポールドルまで上昇し、前日比で約0.4%高となった。米ドルは、日本の為替介入に米国が関与する可能性があるとの観測を背景に、再び売り圧力を受けた。
主要通貨に対する米ドル指数は0.4%下落し、昨年9月以来の低水準を記録した。1月23日にニューヨーク連邦準備銀行が実施した市場関連の動きが、米国が円安是正に向けた日本の取り組みを支援するのではないかとの見方を強めた。これを受け、円は対米ドルで一時1.2%上昇した。
市場では、ニューヨーク連銀の一連の対応について、日本当局による為替市場への直接介入を後押しする可能性があるとの受け止めが広がっている。
米ドル安の流れはアジア通貨全般に波及し、マレーシア・リンギは2018年以来の高値を付けたほか、韓国ウォンも約3週間ぶりの高水準まで上昇した。
シンガポールドルの底堅さを支えている要因の一つが、MASが1月29日の会合で為替政策を据え置くと見込まれている点だ。足元ではコアインフレ率が安定して推移している。
MASは政策金利ではなく、通貨の名目実効為替レート(S$NEER)を金融政策の中核に据え、一定の許容レンジ内で推移することを認める独自の枠組みを採用している。
三菱UFJ銀行(MUFG)の為替ストラテジスト、ロイド・チャン氏は「短期的には1米ドル=1.2600シンガポールドル付近まで上昇する可能性がある」と指摘する。一方で、さらなる上昇には米ドル安の流れが持続することが前提になるとした。また、「MASは1月の会合で現行のS$NEER政策を維持する可能性が高い」と述べている。
近年、シンガポールは高配当株が多い株式市場やトリプルA格付けの国債、予見性の高い政策運営を背景に、投資先としての評価を高めている。代表的な株価指数であるストレーツ・タイムズ指数は過去最高値圏で推移しており、シンガポールドルは過去12カ月で米ドルに対して約6%上昇している。
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