中東紛争の影響を受け、タイの航空業界に深刻な影響が広がっている。2026年2月28日の紛争開始以降、中東系航空会社によるタイ向けフライトは1,000便以上が欠航となり、2026年の航空需要の伸びは最大でも3%にとどまる見通しである。
タイ航空無線会社(AEROTHAI)のスラチャイ・ヌプロム副社長兼社長代行は3月18日、中東紛争が欧州・中東・アジア間の航空路線およびタイ全体の運航便数に影響を及ぼしていると指摘した。航空交通の監視データによれば、すでにタイ上空の交通量は顕著に減少している。
欠航は全体の約3%に相当し、内訳はスワンナプーム空港で600便以上、プーケット空港で400便以上に上る。さらにクラビ、チェンマイ、ドンムアンなどの主要空港にも影響が波及している。
AEROTHAIは、紛争の長期化リスクに加え、原油価格の上昇を伴うエネルギー市場の不安定化を踏まえ、影響を分析している。燃料費の高騰を受け、航空各社は運賃の引き上げを進めているが、航空需要自体は前年を上回る見込みである。ただし、紛争前の予測と比較すると成長ペースは大幅に鈍化する見通しだ。
2026年のフライト数は、紛争の深刻度や今後の情勢に左右されるものの、2025年比で最大3%程度の限定的な増加にとどまる見込みである。
同社は、航空路線の変更や一部空域の閉鎖、さらには世界経済の減速圧力など、航空交通管理に影響を与える要因について引き続き注視している。また、ルート変更への対応や将来的な便数増加の可能性を見据え、運航管理体制の強化を進めている。
一方、紛争に起因する原油価格の変動は航空会社の運航コストを押し上げ、長期的には航空需要の下押し要因となる可能性がある。
AEROTHAIは、タイの航空産業の発展方針に沿い、将来の需要拡大や地域航空市場の変化に対応するため、効率的かつ柔軟な航空交通管理体制の維持・強化に取り組む姿勢を強調した。


