ジョホール州警察本部長のクマール氏は、「Visit Johor 2026」」観光キャンペーンに向けて、安全対策を強化するため、市内7カ所の公共エリアで警察官の常駐体制を強化したと発表した。警察の存在感を高めることで、観光客や投資家に対して「ジョホールは安全な場所である」と印象づける狙いだという。
対象となるエリアは、スルタン・イスカンダル・CIQ(出入国管理複合施設)、バザール・カラット、KSLシティモール、アンサナモール、ベルジャヤ・ウォーターフロント、ミッドバレー・サウスキー、プラザ・セントーサの7カ所である。これらはいずれも人通りが多く、観光客にも人気の高い場所である。
この取り組みは6月14日に開始され、約80人の警察官が各所を巡回し、店舗関係者との対話も行っている。クマール氏は、「これは通常のパトロールに加えて実施されるものであり、さらなる安心感を提供する」と述べた。開始以降、これらのエリアでの犯罪発生は報告されていないという。
今後は、連邦予備部隊(FRU)や海上警察の協力も得て、州内10地区すべてへの拡大を目指すとしている。
またクマール氏は、人工知能(AI)を悪用した詐欺が急増していることに警鐘を鳴らした。「突然、友人を名乗る人物から送金依頼があっても、必ず本人確認をしてから対応してほしい」と述べ、携帯電話の乗っ取りや成りすまし詐欺のリスクに注意を呼びかけた。
最近、クマール氏が「ダトゥ・マリク」という人物からの支援について発言しているように見えるTikTok動画が出回っている件については、「AIを使って偽造されたものであり、事実ではない」と強調した。現在、捜査が進められているという。
この日の州警察月例集会では、警察官およびメディア関係者への表彰も行われた。スター・メディア・グループのジョホール支局長ネルソン・ベンジャミン氏も表彰を受けた。
なお、今年1月から5月までの間における刑事捜査部門の検挙率は59.64%に達し、麻薬犯罪捜査部門では1万794人を逮捕、総額8,318万リンギ(約2,500万シンガポールドル)相当の違法薬物を押収した。また、748万リンギ相当の資産を没収し、21の麻薬シンジケートを摘発したという。
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