シンガポールでは、病欠を取ることに罪悪感を抱く労働者が少なくない。体調不良でも無理をして出勤する人が多く、背景には「休むこと=責任感がない」と受け取られる職場文化があると指摘されている。
慢性疾患や精神的疲労で定期的に病欠が必要な人でも、「同僚に迷惑をかけたくない」「怠けていると思われたくない」との思いから、医師の指示より早く職場に戻るケースがあるという。
一方で、病欠を正当に使うことへの理解も広まりつつある。人事専門家によれば、多くの社員は年間の病欠日数を使い切ることはなく、またリモートワークの浸透により軽い症状なら仕事を続ける人も増えている。
雇用主側は、業務への影響を懸念し「病欠は控えめに」との姿勢を取ることもある。特に管理職の中には、欠勤の頻度を人事評価に反映させるケースもある。
ただし、専門家は「病欠は法的に認められた権利であり、適切に使うことは従業員の健康と生産性を保つうえで重要」と強調。評価は成果に基づくべきであり、病欠が多いことだけを理由に不利益を与えるのは避けるべきと警鐘を鳴らしている。
企業には、休むことへの不安を感じさせない職場環境づくりが求められている。
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