EC(電子商取引)大手のShopeeが、小売にとどまらず、プラットフォーム上での保険販売を拡大している。最近では、MSIG保険およびSeaグループのデジタル金融サービス部門Moneeと提携し、ペット保険商品の提供を開始した。
オンライン・マーケットプレイスが保険流通において存在感を高める中、デジタル販売チャネルに対するガバナンスや監督体制の在り方が、規制当局の関心事項となっている。
シンガポール金融管理局(MAS)は、金融機関が代理店やデジタルメディアなど多様なチャネルを通じて商品・サービスを提供できるとしつつ、2025年9月に公表したデジタル広告行動基準ガイドラインにおいて、強固なガバナンスと厳格な監督を求めている。
Shopeeで提供されているペット保険は、1か月の無料補償が付帯し、事故による通院・入院治療を最大100ドルまで補償する内容で、保険料は1日あたり20セントからとなっている。MSIGとMoneeは、Shopeeの「12.12」キャンペーンにおいて、同商品が堅調な反応を得たと明らかにしたが、具体的な販売実績は公表していない。
同商品は、Shopeeシンガポール上でMoneeInsure Agencyが取り扱い、MSIG保険が引き受ける。MSIGによると、Shopeeはあくまでマーケットプレイスとして機能し、保険ページの運営および保険関連の対応はMoneeInsure AgencyおよびMSIGが担う体制となっている。これは、ECプラットフォームと保険業務の分離を求める規制当局の方針に沿ったものだ。
MoneeInsure Agencyは、一般保険代理店としてシンガポール一般保険協会(GIA)に登録されており、元受保険会社であるMSIGが、代理店の専門性や販売体制に対する最終的な責任を負う。
Shopeeでは、ペット保険以外にも、旅行保険、自動車保険、個人傷害保険などの保険商品がすでに提供されている。こうした動きは新しいものではなく、2025年にはLazadaも複数の保険会社と提携し、東南アジア各国での保険販売を打ち出している。一方、Carousellのように、保険販売に直接関与しないECプラットフォームも存在する。
シンガポールの保険販売は保険法に基づき厳格に管理されており、無登録で保険代理行為を行った場合、当局による執行措置の対象となる。こうした規制環境の下、業界関係者は、消費者との接点拡大を目的としたECプラットフォーム上での保険販売は、今後も拡大していくとみている。
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