タイ政府は、外れたデジタル宝くじの購入金額の一部を個人の年金貯蓄に振り替える新たな制度を導入する。政府はこれを「利益の還元」と位置づけ、高齢化社会に対応した貯蓄推進策と説明している。
エークニティー財務副首相兼財務相は10月1日、この仕組みの基準策定を財務省事務次官に指示したことを明らかにした。制度は今後4カ月以内に開始され、政府の重点政策「クイック・ビッグウィン」の一つとされている。
新制度では、当選しなかったデジタル宝くじの購入額の一部が自動的に専用の貯蓄口座に振り替えられる。エークニティー氏は「この『宝くじ貯蓄』制度はまだ正式名称は決まっていない。既存の国民貯蓄基金(NSF)が運営する『宝くじ年金』制度とは完全に別物だ」と説明した。
貯蓄資金は退職者向け投資信託(RMF)と同様の仕組みで運用され、55歳に達すると引き出し可能となる。56歳以上の人もさらに5年間積み立てを継続でき、蓄積した資金は融資の担保として利用できるため流動性も確保される。
また、政府は高齢者や退職者向けに、利率1%の国債を毎月提供する方針で、小口投資家でも容易に参加できる仕組みを整えるとしている。
財務省のラワロン事務次官は「このプロジェクトの目的はあくまで貯蓄の促進であり、ギャンブルの助長ではない」と強調した。
制度の対象は、政府のデジタルアプリ「Pao Tang」で購入された宝くじに限定される。同アプリのデジタル基盤により、購入者の特定や個別の貯蓄口座への正確な入金が可能になるためである。
この還元資金は、現在政府宝くじ局の収入の17%として財務相の裁量で配分されている部分から拠出される。ラワロン氏は、資金は安全性と元本保全を重視して運用され、極めて安全性の高い基金を通じて管理される見通しだと述べた。
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