【シンガポール】Grab、GoTo買収に向けデューデリジェンスを開始

シンガポール
Grab is considering a valuation of more than US$7 billion (S$9.3 billion) for GoTo, Bloomberg News reported in February.PHOTOS: ST FILE, REUTERS

シンガポールの配車大手GrabGrab Holdingsが、インドネシアの競合GoTo Groupの買収に向けた手続きを進めていることが明らかになった。関係者によると、GrabはGoToの財務状況や契約内容、業務の詳細を精査するデューデリジェンスを開始し、取引の構造や企業価値の評価も進めている。しかし、両社の統合が市場独占につながる可能性があることから、規制当局の承認を得るのは難しいとみられている。

Bloomberg Newsによれば、GrabはGoToの企業価値を70億米ドル(約93億3,000万シンガポールドル)以上と見積もり、一株100ルピア超での全株式交換による買収案を検討しているという。交渉は加速しており、2025年が取引の実行に適した年になるとの見方もある。

しかし、GrabとGoToの合併が実現すれば、東南アジアのオンデマンドサービス市場におけるシェアは60~70%に達するとみられる。Bloomberg Intelligenceのアナリスト、ネイサン・ナイドゥ氏は「この規模の統合は規制当局により独占的行為と見なされ、承認される可能性は低い」と指摘する。さらに、統合が実現すれば厳しい審査を受けるだけでなく、人員削減につながる可能性もあるという。

GrabとGoToはかつて三桁成長を遂げていたが、現在は成長率が大幅に鈍化している。東南アジアの消費者が、高インフレや金利上昇の影響で支出を抑えていることが背景にある。

3月18日、GoToの株価は一時6.3%上昇し、最終的に5.1%高で取引を終えた。2025年の累計上昇率は約15%となり、時価総額は約95兆ルピア(約77億シンガポールドル)に達している。一方、インドネシア株式市場全体は経済の減速懸念から2011年以来最大の下げ幅を記録した。

GoToは2021年5月に、配車サービス大手GojekとEコマースプラットフォームTokopediaが合併して誕生した企業である。GrabはUber Technologiesの支援を受けており、過去にもGoToとの合併を模索してきたが、独占禁止法の懸念から実現には至っていない。Uberは2018年に東南アジア市場から撤退し、代わりにGrabの株式を取得した。現在、GrabとGoToの市場シェアを脅かすような競合企業はほとんど存在しない。GrabとGoToの広報担当者は、この件に関するコメントを控えている。

※ソース

Site not available
タイトルとURLをコピーしました